稲城南山とその周辺

稲城南山と多摩丘陵 <考察編>


妙法寺周辺の工事と根方谷戸

(3) JR貨物線のトンネル内への出水の危険


前項では地中に浸透した水が、地中に水の道を作り、集中豪雨などの際に根方谷戸の崖の壁面に一挙に噴出して土砂崩れを起こす可能性があることを書きました。
水の道と関係なく、地下に浸透した水はどうなるでしょうか?


(1) 根方谷戸の流域と根方谷戸川
根方谷戸の流域 
左の図の(1)は、根方谷戸川の流域を示しています。
右上の表によると、根方谷戸の全流域面積は 750000m2。

図のほぼ中央に三角印で QR-1 という場所があります。
この地点より上流では普段は水は流れていません。
QR-1 付近で水が湧出し、根方谷戸川の流れになります。

根方谷戸川はランド通りの側溝に合流し、明覚寺の前を通って、
よみうりランドの西端の流れを合わせ、
やがて三沢側に注ぎ込みます。

QR-1 の地点より上流側で普段水の流れが見られないのは、
広大な根方谷戸源流部に降った雨のほとんどが地中にしみ込み、
地下深く浸透することを反映しているのです。

稲城南山の付近の地層は、表土の黒土、その下の10m 前後のローム層、
そしてその下は60m−100m 前後の砂層、という構成です。

そのため、稲城南山は多摩丘陵のほかの地域と異なり、水の湧出や流れがほとんどない地域になっています。
稲城南山のすぐ西隣の清水谷戸や、東隣の天神山(小沢城址付近)は南山とは異なり、水の湧出や流れが豊富です。
 



(2) 地下深く浸透した水の行方
稲城南山の地下水位とJR貨物線のトンネル
南山に降った雨水の行方について、H13年の環境アセスメントでは、
南山の地下水の一部はJR武蔵野線の生田トンネル内への地下水排水の可能性があると記されています。
   
(H13年 環境アセスメント、p184)。

左の図は妙法寺の西側から人工の崖中央部を経て三沢側方向に至る B-B' のラインの地質断面図です。
   (H13年 環境アセスメント、p151、図7.4.1−7)。

図にはJR武蔵野線の生田トンネルの断面が米粒のように記入されています。

そのすぐ下になだらかな地下水位のラインが記入されています。
地下水は妙法寺付近から三沢川の方に向かって、ゆるく傾斜しながら流れているのです。

この地質断面図の地下水の水位はH7年2月23日のものです。
  
 (H13年 環境アセスメント、p182、図7.5.1-6 の凡例に記載あり)
地下水の水位は天候によって上下します。


(3) 妙法寺周辺に降った雨は、トラップする樹林が失われたため、急激に地下水位を上昇させる。
   地下水位の上昇によってJR武蔵野線の生田トンネル内に浸水する危険がある。

樹林は雨水を葉や幹に受け止め、下草のクッションややわらかな腐葉土も雨水で湿めります。
降った雨水は徐々に地中にしみ込むのです。

地中にしみ込んだ雨水の一部は草や樹林の成長に使われます。
植物は蒸散作用で根から吸い上げた水分を大気中に放出します。

妙法寺周辺では埋蔵文化財の調査とその後の開発の事前工事でそのような樹林や下草がすっかり取り払われました。
妙法寺の東側では雨水対策として吸込み槽が設置されましたが、吸込み槽は地中に雨水を浸透させるための設備です。

したがって、妙法寺周辺に降った雨はトラップする樹林が失われたため、急激に地下水位を上昇させることになります。

集中豪雨や台風の季節には、地下水位の上昇も激しくなり、JR貨物線のトンネルに急激に流れことも考えられます。

トンネルが水浸しになったり、内部の構造物が浮き上がったりする危険がある。

「Reports for the future 〜未来へのレポート〜 地下水との闘い」 にさまざまな事例が出ています。

 
  http://takuya870625.blog43.fc2.com/blog-entry-44.html


* 妙法寺周辺に限らず、稲城南山での広範囲の
伐採・裸地化は、
 排水設備が先行しなければ、
 JR貨物線の生田トンネルへの出水の危険が伴うと考えられます。

(2009年2月24 記)

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