稲城南山とその周辺

多摩丘陵、近隣山地編


青梅の永山北部丘陵・・・開発から保全へ



青梅の北部の丘陵地

 永山北部丘陵はJR青梅駅〜東青梅駅の北側に広がる山林です。永山という地名は手元の地図には出ていないので最近の呼称でしょうか。
成木街道と小木曽街道、そして霞川に囲まれた場所で、根ヶ布(ねかふ)というところが中心になっています。
 ここは丘陵地の山を削り、谷を埋めて住宅地を造成する計画が進行している地域。
開発予定地の山林の広さは約90ヘクタール。稲城南山(87ヘクタール)とほぼ同じ広さです。様々な事情が稲城南山の開発とよく似ています。
 現地の「青梅永山丘陵の自然を守る会」と「稲城の里山と史跡を守る会」との交流の機会があり、
参加しました。


「ヤッタね!」・・・開発計画の中止

 青梅に行く日の朝、永山北部丘陵の開発が中止になった、という新聞記事を見ました。開発の事業計画が東京都によって認可されてから4年近くなります。長年の住民の反対運動と事業主の事情の変化により、市長が、「市で用地を取得し、丘陵を保全する」と発表したと言うことです。
あとでもらった自然を守る会のニュースでは、「ヤッタね!」という大きな見出しが踊っていました。


永山北部丘陵へのアプローチ

 永山北部丘陵へはJRの東青梅駅から成木街道を北に歩いて15分ぐらいで入ることができます。

青梅の田んぼ  

 左側と正面奥は開発予定区域の山林。田んぼにはエサをあさっている野鳥がいて、5〜6人の人達が道ばたから望遠カメラで観察していました。
バードウオッチングに良いところのようです。
田んぼの奥には開発絶対反対、の看板が立っています。

崩壊地

 道路脇の斜面。崩壊しやすい地層のようです。


山あいの田んぼの跡


湿地

 田んぼの上の方は、平坦な湿地帯が山あいに広がっています。以前はここも田んぼだったのです。
この辺はホタルも飛ぶと言うことです。マムシの危険がなければ見に来たいところ。マムシはどうなのでしょうか?

岩

 山道の脇。角張ったもろい岩も所々出てきます。山に入ってきたという感じ。

木道

 木道。雨の季節には湿地になるのでしょうか。


山の保全管理


フジ

 下の平地も以前は田んぼだったところ。山あいに平地があり、山の斜面も緩やかで、のどかな感じ。木々には太い蔓がからみついたり、ぶら下がったりしています。フジです。5月初旬〜中旬にはフジの花が美しいとのことですが、その一方で、フジ蔓は木を枯らしたり倒したりするので切らなければならない、ともいいます。どちらを取るか、山の管理の難しいところです。

倒木

 山道の倒木。守る会の人たちが、チェーンソーで切って山道を整備したとのことです。


山の眺め

 開発予定地の中心付近の山頂に高圧線の鉄塔があり、台に腰を下ろして休めます。

南の眺め

 東側の眺め。登ってきた方向。遠くに見えるのは狭山丘陵。

北の眺め

 西側の眺め。遠くに見えるのは川乗山だったと思います。その手前には高水三山があるはずです。
地図で見ると、天目山がこの奥の方にあります。

 近くに見えている山林は東側も西側もすべて開発予定地。

 この山林にはタヌキやキツネの他にムササビやアナグマなども生息しています。開発推進の人たちは開発地の隣に緑地保全区域を作って、そこにこれらの動物が移り住めばいいということだったそうです。稲城南山でも、開発予定地域の谷戸に住んでいるオオタカを、緑地公園にする谷戸に引っ越してもらう、ということがいわれています。オオタカは里山の生態系の頂点にいる動物です。1つの谷戸では一つがいが限度かも知れません。両方の谷戸の自然が保全されなければ種の保全が難しくなっていくのではないでしょうか。

岩

 西側に下りました。下り道も所々硬い岩が出ています。この辺の山も丘陵地ですが、多摩丘陵よりも古い地層なのでしょうか。多摩丘陵では見られない硬い岩が所々で見られます。山道の左側は小さな沢でした。



丘陵地の宅地開発



開発予定地

 長い急坂を登ったところにある住宅地からの開発予定地の眺め。写真の左上辺りが登ってきたところ。下の谷とはかなり高度差があります。
この山を削り、谷を埋めて平らな宅地にするのがここの開発計画でした。

 大地震があると、その様な造成地は地盤が不安定で、造成地ごと元の地形に沿って崩れる危険性があります。中越地震(2005年6月)では長岡市で盛り土の住宅街の崩落が起こりました。丘陵地の宅地造成の危険性については、NHKスペシャルなどでも報道されました。
 稲城南山の開発でも同じ危険性が考えられます。

 

周辺の寺社

お寺  仁王

 天寧寺。山門には極彩色の仁王像があります。昔使用した駕篭もおいてありました。

お寺  
七福神
 
 七福神のお寺。青梅には七福神があるとかで、守る会の人たちも新年に七福神巡りの行事をして楽しんだそうです。


青梅永山北部丘陵はハイキングの穴場

 私はずいぶん前ですが、この近くの高水三山や日の出山に来たことがあります。青梅永山北部丘陵はそれらの山よりは小規模で、ガイドブックにも出ていない山域です。しかし駅から近く、奥深く変化に富んだ山林で、ハイキングに適したところです。新緑の季節、フジの花の季節、紅葉の季節、など、すばらしい風景になるのではないでしょうか。近くの寺社も魅力的です。
(2007年1月下旬撮影)





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