稲城南山とその周辺

稲城南山と多摩丘陵 <考察編>


妙法寺周辺の工事と根方谷戸

(4) 妙法寺周辺に降る雨は急激に根方谷戸に流れ込む。
激しい集中豪雨で、ランドどうりに洪水の危険。


妙法寺周辺の広い地域で樹林が伐採され、その後始末として、排水処理のため、吸込み槽が設置されました。
しかし、地中に浸透した水は、他の地域では考えられない事故を起こす可能性があります。

1.地中に水の道を作り、集中豪雨などの際に根方谷戸の崖の壁面に一挙に噴出して土砂崩れを起こす可能性がある。
2.南山では砂層が60m〜100mの厚さがあるため、
水の道と関係なく地下に浸透した水は、地下深く浸透していき、地下水位を高める。
  普段の雨量程度でも地下水位はJR貨物線の生田トンネル付近にある。
  広大な樹林帯が失われたため、降った雨水は樹林や下草、腐葉土の層に保持されたり、植物の蒸散作用でで大気中に戻ったりすることなく、
  ただちに地中に浸透していく。その結果、集中豪雨や長雨の場合、
JR貨物線の生田トンネルに出水する危険がある。

これらのことに加えて、ゲリラ豪雨など、非常に激しい雨が降る場合のことも考えねばなりません。

雨が激しい場合、雨水は地中に浸透したり、側溝の排水路に流れ込むだけでなく、地面の表面を川のように流れ下っていきます。

根方谷戸の源流域である妙法寺周辺でこのような激しい雨が降った場合のことを考えてみましょう。


(1) 根方谷戸周辺の地形

根方谷戸付近の地形
左の図は根方谷戸とその周辺の地形図です。
  (H19年、造成工事検討委員会の答申、p3、図1−1を基に作成)

右上から中央に食い込むように入り込んでいるのが根方谷戸。
その両脇は急勾配の崖になっています。
浸食作用が激しく若い地形です。

根方谷戸のふもとの道路はランドどうり。
京王よみうりランド駅の横のガードをくぐって 300m ぐらい上ったところが根方谷戸の入り口にあたります。

根方谷戸の崖の先頭は口を大きく開いた形で妙法寺のある丘に迫っています。

地形図をよく見てみると、崖のような派手さはありませんが、いくつかの窪んだ指のような地形が発達しています。

丘陵地の一部が水の浸食で低くなり、あるいは陥没し、周辺の山林から土砂が供給されて平らになった地形だと思われます。

なお、妙法寺の付近に斜めに記入されている3本の直線は、南山の地下を走るJR貨物線の生田トンネルです。





(2) 
排水処理の吸込み槽はどこに設置されたのか?

今回設置された吸込み槽の位置を、地形図の中に赤丸で示しました。
吸込み槽の設置された場所は根方谷戸の崖の頭と妙法寺との間の地域だということがよく分かります。
妙法寺の西側の広大な裸にされた地域には吸込み槽は設置されていません。


(3) 妙法寺周辺に降る雨は急激に根方谷戸に流れ込む。土砂災害を起こす危険がある。

西側にある窪地は東側よりも標高が低くなっています。
したがって、西側に降った雨は東側の吸込み槽には流れません。

妙法寺の西側地域に降った雨水は、直接地下に浸透する分以外は西側の窪地に集まり、
そのまま根方谷戸の崖の頭から根方谷戸に流れ込みます。

広大な地域が丸裸にされてしまっているので、大量の雨水が一挙に根方谷戸になだれ込みます。
途中でそれを遮ることができるのは、一時的に崖の周辺に残された樹林だけです。

東側の吸込み槽が設置された地域でも、
激しい雨の場合には、地中に浸透できなかった分は
裸にされた地表を流れ下り、そのまま根方谷戸の深い谷になだれ込みます。

激しい雨が続くばあい、根方谷戸での崖崩れ、ランドどうりへの出水や土砂災害の危険があるのです。
京王線ガードより下流の地域の人家や梨畑は、
右側も左側も、ランドどうりより低くなっています。
ゲリラ豪雨の場合、その地域での急な浸水も起こる可能性があります。


(4) 今後の工事で妙法寺周辺に新たな排水設備?

今後の工事で妙法寺の西側に何らかの排水設備が作られるのでしょうが、それがどのようなものでいつ作られるのかは公開されていません。
また、妙法寺東側の吸込み槽に代わる排水設備の工事が予定されているのかもしれませんが、それについても公開はされていません。

根方谷戸では高盛り土の造成工事が予定されています。
しかし、地震による盛り土の崩壊の危険があるため、造成工事検討委員会が作られ、特殊なサンドイッチ様の盛り土造成を行うように指示されています。
また、根方谷戸は過去に起こった氾濫のため、国の保安林に指定されています。

これらの条件に対応した排水設備がすぐに設置できるのかきわめて疑問です


具体的な工事計画が公開され、その工事の日程や、やり方と設備が、
「樹林帯が失われてしまった今の根方谷戸周辺の状況に適合した十分なものなのかどうか」
のアセスメントが行われ、市民の理解を得ることが必要なのではないでしょうか?

そのようなアセスメントと、それにもとずく工事がすぐに行えない場合、

1. 保安林の機能を損なうような、保安林の周辺での開発行為に対し、
  行政(国、都、市など)は、緊急に、原状回復命令を出すなどの措置をとることが必要ではないでしょうか?

2. 区画整理組合は、行政の原状回復命令や指導を待たず、
  集中豪雨や台風の季節が来る前に、緊急に、原状回復に匹敵する措置を考え、
  市民一般に公開して理解を得、実行することが必要ではないでしょうか?


(2009年2月25 記)

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