稲城南山とその周辺

稲城南山と多摩丘陵 <考察編>


妙法寺周辺の工事と根方谷戸

(2) 地中に浸透した水は水の道を作り、
根方谷戸の崖を崩す可能性がある



 日本山妙法寺の周辺は、埋蔵文化財の調査とその後の準備工事のために、2008年の末までにほとんどすべての樹木が伐採されてしまいました。
 その後、排水対策ということで一部の地域に大がかりな雨水の吸込み槽が設置されました。(2009年1月)。
 これらのことがどういう影響をもつかについて考えてみようと思います。


(1) 地質調査の位置
地層調査位置

左の図面はH13年に公表された南山地域の環境アセスメントで、
地質調査が行われた位置を示しています。

A-A' とか、B-B'、C-C'、V-V'、などの折れ線は、
地質調査した地点をつないで地質断面図を作成した位置を示しています。

図面中央の下の方、No.3 のやや右上が妙法寺のある場所です。
No.5 は妙法寺東側の遺跡調査が行われた丘の付近です。

IV-IV' の後半ぐらいが根方谷戸に対応しています。

















地層断面図C-C'
(2) 地質断面図の見方

左の図は、上の図面で C-C' で示されているラインの地質断面図です。

南山は上部がローム層、下部は非常に厚い砂層でできています。

左の断面図で、上方の Lm1(紫色に着色), Lm2 (薄い黄色に着色)の部分がローム層です。
ローム層は火山灰が積もってできた地層なので、山の斜面によって少し厚さが異なります。

ローム層の下、Dec, Deg, Ius, Ilg, で表わされている部分は、すべて大昔に河口三角州付近で堆積したと考えられている砂の層です。
砂粒の粒子の細かさなどによって細かい区分がされています。







(3) 吸込み槽の底面から排出される水はどこへ?

吸込み槽が設置された標高105m付近では、ローム層の厚さは10m前後です。
吸込み槽の深さは3mなので、底面からの水は、直接砂層に入ることはなく、ローム層中に浸透することになります。



(4) 地中にできる水の道(パイプ)、
水の噴出による根方谷戸の崖の崩壊の危険

吸込み槽は地中(今回の場合はローム層)に雨水を浸透させるのですが、
水は地中に浸透分散していくだけではなく、地中の間隙を伝って、アリの巣のような水の道が徐々に発達していきます。

地中の水の道は雨が降るごとに浸食されて発達し、太くなり、合流し、地形に従って低い方に向かっていきます。
豪雨などの場合、どこかに出口ができ、一挙に噴出します。

根方谷戸の長く続く崖の壁のどこかで噴出すれば、特に集中豪雨や台風の時期には、土砂崩れを起こす危険性があります。
よみうりランド駅付近のランド通りに洪水を起こすことになります。

* 過去に台風の時期に根方谷戸が氾濫してランド通りに洪水を起こしたことがあります。
そのため、根方谷戸は国の保安林に指定され、砂防横堤も10か所近く設置されています。


水の道(パイプ)についての解説:


『日さくジオドクターの野帳から 「パイプ」の話』、にさまざまな事例と詳しい解説があります。
多摩丘陵での斜面崩壊の実例や実験も出ています。

    
http://www.nissaku.co.jp/geo/pdf/geonote004.pdf

 

(2009年2月 記)

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