稲城南山とその周辺
常楽寺の蓮
常楽寺
常楽寺は京王線稲城駅のすぐ脇にある天台宗のお寺です。
戦国時代の永禄元年(1558年)に法印良順によって再興されたとありますから、それ以前からの古いお寺ということになります。
本堂の阿弥陀堂には12世紀前半頃の阿弥陀三尊像(東京都指定文化財)が安置されているということですので、平安時代頃からのお寺になります。
稲城市のホームページによると、明治4年に常楽寺で長沼郷学校を開校、明治22年には6か村が統合して稲城村が誕生したとき、常楽寺で第1回の稲城村村会議員の選挙会をおこなった、とあります。
古くから、稲城近辺の文化の中心の1つだったことがうかがえます。
山門
阿弥陀堂
本堂
阿弥陀堂の脇にある竜の水場と蓮池
蓮(ハス)
常楽寺には大賀蓮(古代ハス)が生育しています。
千葉県検見川の縄文時代の舟だまりの遺跡を発掘中に地下約6メートルの泥炭層から出土した種子に由来するものです。
種子は約2000年前の弥生時代のものと鑑定されています。
3粒の種子の内の1つが2000年の眠りから覚めて発芽し、旺盛に生育しました。
昭和26年(1951年)のことでした。当時私は小さかったのですが、新聞で大々的に取り上げられていたのを思い出します。
大賀蓮は千葉市の池から日本各地や世界各地に根分けされているとのことです。常楽寺のハスもそこから根分けされたものと思われます。
大賀蓮は人の背丈ほどの高さ。円形の葉は差し渡しが手のひら2つ分あります。
大賀蓮の花期は6月下旬から8月上旬。開花は午前中です。
石段の上の鐘楼
きれいに手入れされた植え込みに囲まれた石段をあがると鐘楼
鐘楼の台座にはユニークなお坊さんの像
常楽寺の境内にはさまざまな造形物が置かれており、それらを見て回るのも楽しいものです。
(2006年7月下旬)
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