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稲城南山とその周辺
稲城南山と多摩丘陵 <考察編>
3.砂層の崖の崩れ方
砂層の崖の浸食のされ方や崩れ方にはいくつかのタイプがあります。
多摩川の右岸で見つけた砂層の崖や、稲城南山の人工の崖などでその様子を見てみました。
(1) 雨で砂層の表面の砂が流れる。
雨粒がたたきつけたり、表面を水が流れることによって、砂層の崖の表面は少しずつ浸食されます。
大雨のあとの砂層の崖。多摩川右岸、南多摩水再生センターの裏手付近にある砂層の崖。
砂層の表面が少し黒ずんだ部分と、肌色の部分のまだら模様になっていました。
黒ずんだ部分が多分古い表面で、大雨の浸食を受けて表面の砂が流出した後の新しい表面が、肌色の部分ではないかと思います。
砂層の崖から流出した砂。大雨のあと、砂層の崖のふもとでは、崖の表面から流出した砂が草の上を覆っていました。
(2) ブロックの崩落
良く固まっている砂層の崖。
割れ目を作ってブロックが剥離し崩落した跡。
ある程度固まっている砂層は、平滑な割れ目を作ってブロックになって崩落します。
下には崩落した砂のブロックが転がっています。
雨に打たれたせいか、このブロックは水を含んで柔らかくなっていて、角が少し崩れていました。
良く固まっている砂層の崖。
崖のふもとは、流出した砂やブロックの崩落などのため草木が育っていません。
枯れ葉だけがその上に積もっていて、長く続く崖の裾に人が通れるようなスペースが出来ています。
下の通路みたいになっているところに新しいブロックは落ちていません。ブロックの崩落はごくたまに起こることのようです。
崖の表面の色は黒ずんでいて、この崖がかなり安定していることを物語っています。
(3) 大規模な滑落の跡(?)
稲城南山の人工の崖。京王線側から見て、正面やや左。
大規模な滑落が起こった後に現れたと思われる、表面が新しい地層。
過去に崖下もどんどん砂が掘り出されたので、オーバーハングして重さを支えきれなくなったところが、滑りやすい面で滑り落ちたのではないかと思います。(さらに調査が必要)。
(4) 大規模な土砂崩れの跡(?)
多摩川のバードウッオチ小屋の対岸の緩やかな斜面。
多摩川・大栗川(乞田川)合流点付近、右岸の砂層の崖がとぎれているところ。
桜ヶ丘カントリークラブの裏手にあたります。
この斜面には大きな樹木は育っておらず、葛などの野草が一面を覆っています。
両脇に急峻な砂層の崖があるので、この穏やかな斜面は砂層の崖が広範囲に崩れた跡ではないかと思います。
両脇の崖では、その周囲や上で樹木が良く茂っています。
この斜面の上はゴルフ場になっています。もしかしたらゴルフ場を作るときに崖の上にあった樹林を伐採してしまって、大雨で崩れやすい場所になって、土砂崩れがおこったのかもしれません。(さらに調査が必要)。
(5) 沢などの水の流れがあるときは、水の流れによる両脇の浸食
八王子市の長沼山の麓の小沢
小さい沢が流れているが、その両脇は広く浸食されている。
(2008年8月 記)
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