稲城南山とその周辺

南山プチサイエンス



さまざまな歴史を語るモニュメント




稲城南山崖のモニュメント 京王相模原線の稲城駅から南側の山の方に歩いて
5分か10分。

スポーツ広場の奥に一風変わった崖があります。
その崖がさまざまな歴史を語ってくれました。
ちょっと聞いてみましょう。

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(1)

わたしは悪名高い危険な崖の一部。

こんな姿になる前は私の前にも山が続いていて
尾根になっていたのよ。
低い山の尾根
・・・
昔は亀山(キザン)と呼ばれていたわ。


亀山の上には小さな山城があったの。
長沼城とか亀山城とか呼ばれたお城。
お城と言うよりは山の上の小さな砦。


亀山城の西には大丸城、東には小沢城。


大丸城はもう無いわ。小沢城は天神山の上。
小沢城の向こうにも枡形城とか、城、城、城 ・・・ 
関東平野を睨んでいたのね。


私たちのお城は多摩川を挟んで向こう岸の深大寺城なんかと対峙していたの。

深大寺城は最近国の史跡になったっていうけど、
私たちのほうはどう? 

大丸城も亀山城も無くなってしまったわ。
頼みの小沢城も最近道路を造るとかで少しずつ壊されそう・・・

・・・・・・・・


わたしって、お城のあった山の一部だから、
本当は「やあやあ我こそは・・・」とか名乗りを上げた方が似合うかもしれないけど、
いまはおとなしく「わたし」なの。

でも「わたし」は、昔この先にお城があったって言う目印。
モニュメントかな?




(2)


わたしが何でこんな変な姿になったのか、
知りたくない?


ヒントのキーワードは、京王線と東京オリンピック。

多摩ニュータウンを作るため、京王相模原線を通そうとしたら
私の足元が邪魔だったらしいの。



崖付近新旧の地図



足元を削って、駅を作って、
ついでにロータリーや商店街、住宅街も作る・・・


・ ・・で、どんどん削られていったわ。


そのうえ、東京オリンピックで建設ブーム。

私を削ると、とても良い山砂が取れたらしいの。 



駅が出来る。街が出来る。削った砂は高く売れる・・・

私の前の尾根だけでなく、横の方もどんどん削られたわ。

都内の高速道路が出来たのも、私たちのおかげよ。


だから
私は開発と自然破壊の無残なモニュメント。



だけどわたしは
多摩ニュータウン建設と、京王相模原線開通と、

東京オリンピックの記念すべきモニュメント。




(3)

私の前の広場は南山スポーツ広場。
子どもたちが野球やサッカーをしている姿を
私は見守っているの。


子どもたちも珍しい姿のわたしや、周りの山や緑を見ながら
生き生きとスポーツを楽しんでいるわ。


おとなたちも
子どもたちの応援をしたり、
たまには少し離れた草地でバーベキューをして楽しんでいる。

わたしの周り、緑が深くて静かで、意外に景色がいいのよ。
試合が終わった後の西日の時間なんて最高よ。


スポーツ広場と崖





・・・・・・・・・・・・


最近、わたしのことををじっくりと見に来る人たちもいるの。

わたしのこんなむき出しの姿、山の断面のむき出しの姿

・・・・・・


この山の断面のむき出しの姿、
山の地層がどうなっているのか見ることが出来るのよ。


多摩丘陵広しといえども、
山の地層の積み重なった姿を見ることが出来る場所、
なかなかないんだって。


たまに地層を見ることが出来る山があっても
それぞれが違った特徴を持っているんだって。


わたしはわたし風。あちらはあちら風。そちらはそちら風。

・・・・・・


あちらさん、そちらさんと違って、わたしは単純で分かりやすいの。
多摩丘陵の一番素朴な姿よ。

あちらさんは「わたし風 プラス アルファ」
そちらさんは「わたし風 プラス ベータ」


・・・・・・・

それぞれを見比べて、何か読んで、考えてみると、
多摩丘陵の成り立ちの
ダイナミックな出来事を
分かりやすく学ぶことが出来るらしいのよ。



わたしって、知らなかったけど本当は貴重な存在なのね。
なんというモニュメントかしら。

モニュメントと言うよりは、
子どもたちや大人たちにとっての、
自然の学校の先生なのだわ。





(4)

かってはむき出しで醜かったわたしの姿。
「危険だ」、「きたない」、「いやだ」、「無残だ」、などと言われながら、
5年、10年、20年、30年、40年・・・ずいぶん我慢したわ。

「危険だ」といわれてばかりいたけど、ちっとも手当をしてくれなかった。

・・・・・・・


でも、逆境ってチャンスね。

40年我慢している間に
崩れやすい所は徐々に崩れて
少しずつ安定し、
下からは草や木が這い上がってきて、緑もだんだん回復してきたわ。
もうすぐ、上の樹林とつながるところも出てきそうよ。

むき出しだったわたしの地肌、
いつの間にか周りの自然になじんできたわ。


・・・・・

だからわたしは胸を張って言えるの。

開発で破壊され、荒廃したみにくい自然から、
少しずつ少しずつ再生していく緑の自然。


そう、
わたしは破壊の痕から再生していく自然の姿をみんなに見せている、
破壊から再生へ
の自然の力のモニュメント。




(5)


もっともっとわたしは希望があるの。

・ ・・・

開発と自然破壊を止めて、里山と樹林の緑が保全されることになったら、
その記念のモニュメントよ。

・・・・・



わたし、未来の子どもたちに合いたいわ。

あえるかしら? 
きっと会えるわよね。


未来の子どもたち、わたしをなんと呼んでくれるかしら。




・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


何かゆっくりと映像を流しながら朗読したら面白そうですね。

(2008年7月)


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