稲城南山とその周辺



多摩弾薬庫(多摩火工敞)跡
  ・・・戦争遺構(遺跡)と自然と・・・



多摩弾薬庫(多摩火工敞)跡

 多摩弾薬庫跡は稲城市と多摩市にまたがって存在する米軍の施設です。現在は弾薬庫としては使われておらず、米軍用のリクレーション施設になっています。
 戦前は、満州事変から第2次世界大戦の終戦まで、日本の陸軍の中心的な火工廠でした。多摩丘陵の地形を利用して作られた爆薬の製造・貯蔵場所です。

 稲城市と米軍施設の協約による施設公開の期間中に、稲城の里山と史跡を守る会のウオーキングに参加して中を見学しました。
大雨の日でしたが、昼過ぎには晴れるという予報もあり、1ヶ月ぐらい前からの住民票を出しての予約、パスポートなどの身分証明書の携帯ということで、この機会を逃すわけにはいかず参加しました。途中からは陽が射し、濃いもやが立ち上りました。
 資料(高校の先生の書いた陸軍多摩火工敞研究という記事)と地図などが配られ、基地内の史跡や自然調査をしている基地関係者の方が案内と説明をしてくれました。


半地下式の弾薬庫、広い道路、土塁で囲まれた作業場に通じるトンネル

弾薬庫

 弾薬庫跡。半地下式。上には木が生い茂っています。このような弾薬庫が谷地を押し広げてあちこちに作られています。

弾薬庫の中

 弾薬庫跡の内部。厚いコンクリに囲まれた室内です。

舗装道

 弾薬庫をめぐる道。周囲は鬱蒼とした樹林。左側は山で、ところどころ山道があります。いただいた地図にはハイキングの道とありますが、今回は入れませんでした。

道の壁

 弾薬庫などをつなぐ道は広くゆったりとしていて、施設内をゆるい起伏で一周しています。
道の脇は頑丈なコンクリの壁。コケがむしていて時の流れを感じさせます。

弾薬庫

 また弾薬庫の跡。入り組んだ小さな谷地ごとに弾薬庫が作られ、1ヶ所での爆発事故が他に及ばないようにしています。

トンネル

 トンネル。作業場のある谷地をトンネルがつないでいます。作業場は3方を崖地や土塁で囲んでいます。

トンネル

 ちょくちょくトンネルがあります。トンネルの向こうは弾薬を製造する作業場。

水道管

 トンネルの先の空き地。当時の建物は残っていません。電気や水道、お湯の配管が残っています。
火気厳禁のため、お湯が供給されていたとのこと。
 資料によると、供給されていたのは高圧蒸気です。火薬は湿った状態で持ち込まれ、蒸気の熱風で乾燥させ、大型爆弾の場合は、高圧蒸気の熱で鍋の中で溶かした後、筒などに流し込んで固め、切断し密封して仕上げた、ということです。

擁壁

 前方に巨大な擁壁。この擁壁にもトンネルがありました。(弾薬を擁壁の上に運ぶ、または原料をおろすためのエレベーターもあったようですが、説明を聞き漏らしました)。右側は建物の壁の跡。

壁の跡

 建物の壁の跡。道に面した壁だけが残っています。
作業場で爆発事故があり、5人亡くなった事故があったということです。それがこの場所でしょうか。


巨大な煙突とボイラー

煙突    ボイラー

 巨大な煙突とボイラー。高圧の蒸気やお湯を山間のあちこちの谷地に散らばった作業場に送るための物。
このような煙突とボイラーは多摩火工敞全体で3ヶ所あったそうです。


戦争遺構(遺跡)

 多摩弾薬庫跡地は跡地全体が戦前の多摩火工敞の様子を今に残している戦争遺構(遺跡)です。私はこの跡地に入って見るまでは、弾薬庫の跡が数カ所固まってあるのかな、ぐらいにしか思っていませんでした。実際は丘陵地の山全体が1つの巨大な工場に作り替えられていました。山に分け入る谷地はゆるいカーブの広い道となり、本谷から派生する小さい谷地は押し広げられて、作業場や弾薬庫が配置されていました。谷地と谷地はトンネルでつながれ、爆発事故が起こっても隣には波及しないようになっていました。
 巨大なボイラーからはあちこちの山間の作業場に高圧蒸気が送られました。

 多摩火工敞は、第1,第2,第3工場までありましたが、第3工場は米軍のためのゴルフ場に開発されて消滅しました。
多摩火工敞では2000名以上の人が働いており、中には当時植民地だった朝鮮から連れてこられた人たちも多数いて、丘陵地の崖を切るなどの危険な作業に従事させられていました。3人の犠牲者が出たということです。


自然公園として

 多摩火工敞跡は当時のかなりの部分がほとんどそのままの姿で今に残されています。かつての弾薬製造場所はこけむして、美しい緑と調和しています。
 かつての作業場の一部にはキャンプ施設やロッジも作られています。山道にはいると、きっと手つかずの多摩丘陵の姿がそこにあるでしょう。
 ここには鳥類53種、哺乳類13種、昆虫1027種、両生類11種、魚類2種、植物800種類以上、が確認されています。いただいたパンフにはキツネの写真が出ていました。

 住民票の事前提出やパスポートの携帯なしに、誰でもが自由に出入りし、自然を満喫し、歴史を振り返ることのできる公園になることを望みます。





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