稲城南山とその周辺

都民の文化財、ありがた山墓石群



南山の山腹に祀られる4千数百体の墓石群


ありがた山の墓石群


ありがた山墓石群は京王線読売ランド駅を出て、ランド通りを少し上がり、右手の妙覚寺脇の小径に入って、墓地を登り詰めたその先にあります。
 山の上まで幾段にも石仏、石像がびっしりと並び、その数は4千体を超えるといわれています。

 関東大震災後、震災の傷も癒えつつあった昭和15年から18年頃にかけてのことです。都内駒込周辺の廃寺などに放置されていた無縁仏や石仏・石像を、日徳海という宗教団体の人々が1つ1つこの地に運んでありがた山の墓石群が誕生しました。
 当時の妙覚寺の住職の好意により、妙覚寺の上の山林が供養の場所になりました。

 無縁仏の墓石を運ぶときに、「ありがたや、ありがたや」と唱えたことからありがた山の名称が生まれたと伝えられています。

アリガタ山の地蔵


ありがた山には江戸時代、明治、大正、昭和の、身分を問わないさまざまな石仏、石塔、地蔵墓、菩薩像などが祀られています。
 今日でも有志の人々(日徳海)が日曜日などに都内各地や近県から集まり、草むしりなどの手入れをしています。

アリガタ山の小地蔵


 無数の石仏・石塔には、亡くなる原因になった飢饉や戦争、疫病の流行の年月や、死亡した人の年齢、身分や地位を反映した戒名などが刻まれているでしょう。
 刻まれている事項は社会のあり方などを探る資料としても価値があります。調べていくといろいろなことが分かるのではないでしょうか。

 ありがた山墓石群は、震災で焼け出され縁者不明になった多数の墓石を供養している都民の財産とも言えます。また、かつての日本の社会の様子を伝えると共に、関東大震災による荒廃とその後の人々の心の復興を今に示す、他に類のない文化財です。

 ありがた山墓石群は周囲の山林とも調和してハイキングや観光の名勝地にもなっています。NHKで紹介されたこともあるそうです。

 南山東部土地区画整理事業では、ありがた山墓石群のある場所は、周囲の山林と共に山自体を崩して平らにし、幹線道路の沿道部にすることになっています。
 豊かな自然の緑、他に見ることのできない墓石群、何とか保存できないものでしょうか。

   (2006年8月、一部追記、2009年4月、一部訂正)

追記: ありがた山墓石群を作り、今日でも維持管理している団体は、今まで「日徳会」と記載してきましたが、
「日徳海」 というのが正しい名称です。関係者の皆さんにお詫びします。(2009年4月)



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